「現代アート」市場事情

 「アートフェア東京」を主催する一般社団法人 アート東京が実施した「日本のアート産業に関する市場調査2016」によりますと、国内の「アート市場」の規模は3341億円だそうです。

その内訳は、ギャラリー・画商を通じた美術品購入額の792億円が一番多く、続いて百貨店での購入が627億円で2番目に大きな販路の形態でした。

 ちなみに世界市場を見ますと、TEFAF「Art Market Report 2015」のデータでは、約7兆円の規模。

国別の美術品市場シェアは、アメリカ・中国・イギリスのトップ3が大きく突き放しており、日本のシェアは0.7%

 中流階級以上の総資産額では、中国とイギリスは日本よりも資産が少ないにも関わらず、シェアが大きい事が分かります。つまり日本人は資産があるのにアートは買わない、もしくはアートを資産としてみなしていないということが読み取れます。

もちろんこれらの状況は、「現代アート」だけでなく、他ジャンルも含めた「アート市場」全体の話ですが、しかし世界市場では過去の巨匠の作品を買い集めるコレクターよりも、現存で新しい作品を生み続けている「現代アート」作家の作品を扱う画商のほうが強い影響力を持つ傾向が強まっております。歴史的な名作・傑作のほとんどは、すでに公共物なので個人での所有が難しいためでもあります。

日本企業とアート

 1980年代後半のバブル期当時の日本企業は、「異常」ともいえる美術品の収集に精を出し、大した目利きもせずに巨額を投じたケースも多く、痛手を経験を受けておりました。

 しかし、もともと日本の資産家の企業オーナーは、アート支援、コレクションに熱心な風潮も明治期からありました。代表的なのが岡山県倉敷市に構える大原孫三郎が創設した大原美術館や、現存する日本で最古の画廊と言われる資生堂ギャラリー。 昭和に入りますとサントリー美術館やブリヂストン美術館が開館されました。

 近年では、アースミュージック&エコロジーなどのアパレル企業「ストライプインターナショナル」の石川康晴社長と、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイの前澤友作社長が実業家コレクターとして注目を浴びています。石川氏は、故郷の岡山に「コンセプチュアルアート」を収蔵する美術館の建設を計画を、62億、13億円でともに海外の大手オークションでバスキアの作品を落札した前澤氏も千葉にプライベート美術館の設立を計画しているとの事。バブルの後遺症から抜け出し、「現代アート」を通して今後も新たな可能性が生まれるかもしれません。

 

日本の「具体美術」と「アンフォルメル」が注目

 現在、国内外で再評価の動きが高まっている戦後日本美術の「具体美術」「アンフォルメル」

「具体美術」は、1954年に兵庫県を中心に活動していた前衛美術集団。また、世界的な人気を誇る草間彌生(1929-)は長野県出身。当時それらの郷土では多く支持者がおり、作品を購入して作家たちを支えてきた風土がありました。 今後も思わぬ「お宝」が出て来るかも?しれません。